6/14の日記

再開した美術展のことがしばらく気にかかっていて、昨日も「行ってみたいけど、でもなあ…」とうじうじしていたのだけれど、今朝目が覚めた瞬間「行くか!」という気分だったので出かけてみることにした。

数ヶ月ぶりの遊びでの外出で、毎日混雑した電車で通勤しているからみんな元に戻ったイメージで電車に乗ったところ明らかに乗客が少ない。

電車を降りた渋谷駅も以前とは明らかに人の数が違っているように見えて、あ、みんなまだちゃんと自粛しているんだ、と気付いた。

(渋谷の人出についてはまだ午前中だったのでもしかしたら時間帯によってはもうちょっとあるのかもしれない)

久々のBunkamuraザ・ミュージアムは再開したばかりということもあって入り口で手の消毒を求められたり、展示室に入る前には検温や連絡先の記入が必要だったり、ちょっとした緊張感が漂っていた。

カメラでの検温が初めてで、しばらく待っても33.4度とか出たままなので計測に時間がかかるものなのかな、と思いながら画面の前に突っ立っていたら係の人に「低めに出るものですので」と声をかけられ移動を促されてなんだかちょっと恥ずかしかった。

 会場はガラガラ、とはいかないまでもまだそれぞれの作品をじっくり鑑賞できるくらいには余裕があった。

今回の「超写実絵画の襲来」はホキ美術館所蔵絵画の展示で、以前から気になっていていつか行こうと思っていたホキ美術館はいよいよ行ってみるかとなった昨年、水害で休館となってしまっている。

その美術館の絵画が渋谷で見られるとわかり、これも行ってみたいなと思っているうちにコロナの影響で中止となってしまった。

予定されていた会期は過ぎてしまったけれど、この度ありがたいことに展覧会が再開されたのだった。

写実絵画は「写真を見ればいいのでは?」と言われてしまうジャンルとのことだけれど、私もアンドリューワイエスの絵を好きになってから、写実的な絵を見ていいなと感じる理由は何だろうと考え続けている。

今回の展示も改めてその答えを探しながら眺めてみて、それぞれの絵画に思うことはいろいろあったりもしたけれど、結局はやはりどんなに精密な絵画でもどこか写真とは違う、という部分じゃないかと思う。

そこに画家の思いや美意識が反映されているかどうか、そこまでの見る目は私にはないかもしれないけれど、もっと浅く、なんというか現実のようで現実ではない、ちょっとした違和感みたいなものが私は好きなんじゃないかな。

写真に詳しいわけではないのでそのあたりもよくはわからないけれど、どこまでピントを合わせるかとか、はっきり見える部分とぼかす部分の境界とか、写真とも、実際肉眼で見た時とも少し違っているんじゃないかと思う。

 

ひとつひとつの感想は語りきれないので一番印象に残った作品について。

島村信之「籐寝椅子」

この絵を見た時は「あっ」と声が漏れそうだった。

明るい室内で籐の寝椅子に女性が横になっている絵なのだけれど、私が子供のころ親戚の家にこれと全く同じ形の寝椅子があって、大人になってから思い出すこともなかったその空間の、窓辺の日の暖かさとか、古い家屋の乾いたにおいが一気にによみがえったのだ。

これが寝椅子の写真だった場合同じような感覚になったかどうかわからない。

もしかしたら思い出したかもしれないけれど、寝椅子に横になる人物のあたたかいやわらかい描写も関係しているんじゃないかと感じた。

 

帰りは井の頭線沿いに少し歩いた。

歩いているうちにイライラすることを思い出してしまい、雨に濡れるアジサイなどを楽しむ心の余裕もなく激しく歩いて汗だくになりマスクが苦しかった。

 

帰宅してからはドラマ「愛していると言ってくれ」の再放送を見た。

最近日曜の楽しみになっていたのだけれど実はプライムビデオにも入っていることがわかり来週を待たずに最後まで見てしまいそうな気がする。

とにかくトヨエツが美しすぎる。

あまり人付き合いを好まないキャラのはずだけど、そんな人があんな魅力的な表情を作るなんてちょっと設定が破綻しているのではないか。しかし美しいので許す。

今日は井の頭線で帰ってきたのでこのドラマでよく出てくる井の頭公園駅を通過した。

そのうち駅や井の頭公園も歩いてみようと思う。

このドラマの話はまた今度する。

 

また明日から無の毎日が始まるだろうけど今日は書くことがたくさんあったからパソコンで書いた。

おわり。