広島の旅 6
広島の旅3日目のつづき。
尾道をなんとなく一回りして駅方面に戻ったところで、到底この町を一日で見尽くすなんてことはできそうにないしこの日は一旦切り上げることになった。
果たして次があるのかどうかはわかりませんが。
移動の電車の中でさっき寄ったオシャレ宿泊施設の中のショップで買ったチョコを食べた。
パッケージがオシャレだし、値段も味もオシャレであった。
一人旅ではほとんど買い物をしないので、人と一緒だとだいぶ行動が変わってくる。新鮮だ。
次の目的地鞆の浦も、行ってみたいとは思うけれども尾道以上に実際行くことはないだろうと思っていた場所だった。
地図で見る限り公共交通機関での移動の難易度が高そうというのがその理由だったのだけど、いざ訪れるとなって調べたところ電車の駅からバスが出ていてそこまで不便というわけではなさそうだった。
福山駅で電車を降りると福山市はかなりバラ推しの町のようで、初めて訪れたけどもしかして私の住むべき町はここなのではみたいなことを思った。
駅の写真は撮りそびれた。
鞆の浦まではバスで30分ほど、移動しているうちに日が傾いていくのを感じて焦り出した。
私は良いスポットで夕日を見るということにわりと執念を燃やしがちということに最近気づいて、この時も移動中地図を見て鞆の浦は西側が高い山になっているから開けた場所より日の入りが早いはず、バスが着く前に日が沈んでしまうのでは、着いてからももたもたしている暇はないぞ…と、ひとりかなりピリピリしてしまった。
友人にも隠し切れないピリピリ感を出してしまい申し訳ないことをした。これだからひとり旅を選ぶしかなくなってしまう。
バスを降りてまず友人が教えてくれたおすすめスポットを訪れた。
お寺の座敷から向かいの島が見えてこんなに風光明媚なのに、私が求めてる風景はこれじゃないと感じてしまってすぐ移動しようとして大変申し訳なかった。
二度と訪れないであろう場所での夕日チャンスに必死になってしまっていたんだ。
お寺を出ると山の陰で日が沈んだ気配があり、これは終わったかなと脱力しかけた。
脱力しながら見た海。こう見ると十分美しいじゃないか。
感じのいい路地などを通りふらふら歩いていると高い場所に出られそうな階段を見つけ、ここだ! と直感が働き、上った。
見つけてしまいましたね。
こういう成功体験を重ねるから、行動がどんどんおかしくなってしまうんだと思う。
湾には波もなく、とにかく静かな海という印象。
海の方へ降りる。
この辺りでお気に入りのイヤリングを片方落とした。
古い街並みが残っていて雰囲気が良い。
進んだ先は観光パンフレットなどでよく見る場所だった。
美しかったなあ。
お店はどこも閉まってしまったし、昔ながらの寺社や町並みもあったようだけどもう真っ暗で何もわからなくなってしまった。
ほんのわずかの滞在だったけど美しい瞬間をぎゅっと見られたと思う。
ところで鞆の浦といえば崖の上のポニョの舞台として認識していたけれど、実際の町をモデルにしているわけではなく町のイメージみたいなものが表現されていただけだと知って驚いた。
ちらっとしか鞆の浦を歩いていないので仕方ないけどポニョの雰囲気は見出せなかった。
乗り降りした駅写真をいつもなんとなく撮っているけど鞆の浦はバスだったのでバス停を撮った。
なんだかよくわからないけど猫がかわいい。
福山駅に戻り、ひとり旅でできないことの第一位、ご当地名物を食す。
ちゃんとしたお店、一人では絶対入る勇気がないですからね。
広島焼、絶対おいしいだろうなと思っていたけど本当においしかった。
友人は牡蠣が乗ったのを食べていた。
駅で友人と別れ、また二時間近くかけて広島へ戻る。
夜遅くなってしまったけど、3日目ともなると仕事帰りの自分の町みたいな顔をして駅の地下道を通り颯爽とホテルまで帰れるようになっていて、こういうのもこの夜で最後かと思うと寂しかった。
つづく