広島の旅 3
広島の旅2日目。
2日目の予定も特になく、いずれすべての都道府県を訪れたいと思っている私はそうそう来られないであろうこのあたりに来たついでにとなりの山口県まで足をのばしてみようかな、などという考えもあり、西と東のどちらへ行くべきか、ツイッターでアンケートをとってみた。
回答を待つ間、もらってきたパンフレットを眺めていると竹原市の観光ガイドブックが気になった。
古い町並みの残る景観地区の写真はきれいだし、そればかりか私の中でハードルの高かった島へ渡るのもそれほど難しくなさそうなことが分かって、2日目は竹原方面へ決めてしまった。
アンケートは西という結果でしたが東へ向かってしまいごめんなさい。この場を借りてお詫びいたします。
東京から見ればだいぶ西ってことでここはひとつ。
竹原市のガイドブックに載っていた大久野島は、テレビで紹介されていたのを見たことがあった気がするけど広島にあるとは知らなかった。
まさかこの島に訪れるとは考えたこともなかったので何の情報もなく、向かう途中で検索した誰かのブログを読んでみると、かなり人気のスポットらしくその人は島に渡るまでに4時間待ったようなことが書かれていた。
時期が5月の連休だったようなので今回そこまでの混雑はないだろうけど、これはもしかすると島でのんびり海を眺めるみたいな過ごし方はできないのでは…? と不安になり、同じ電車に乗っている乗客が全員同じ目的地へ向かって船の座席を奪い合うライバルなのではみたいなことを考えていた。
フェリー乗り場のある忠海駅へ着いて、降りていく人はそこまで多くなかったけど、まだ車で来ている人が多いかもしれないしと疑っていた。どれほど人ごみが嫌いなんだ。
現地へ行ってみると大久野島は想像していた以上にうさぎ推しの島だった。
私の事前の認識としては戦争>うさぎという感じだったけど、観光的にはうさぎ>>>>>>>>>>>戦争というアピール方針のようだった。
正直私はうさぎにそんなに興味がなかったので、エサも持参しないし遠巻きに眺めるくらいでいいや、とその時は思っていたのですが…
大久野島へはフェリーで15分くらいだった。
船が着く前に、海から見た島の道路にぽつんと何か小さい影があって、まさかうさぎじゃないよね、あんな道にぽつんといるわけは…と思ったのだけれど、結果それはうさぎだった。
なんかこう、エサやりポイントみたいなものがあってエサを持っている人だけうさぎと触れ合える感じを想像していたのだけれど、実際はもう、うさぎは島のいたるところにいて、エサを持っていようがいまいがとにかく人に群がってくるのだった。
(もしかすると冬の観光客少ない季節のせいかもしれないが)
第一村人ならぬ第一うさぎ。
すぐに気づくことだけどうさぎの正面顔を撮ることは不可能だった。
なぜならしゃがんで目線を合わせようとするとこういう状態になってしまうので…
海とうさぎ、良い。
とりあえず高いところへ上る習性があるので灯台へ。
人はいないけどうさぎはいつもいる。
灯台は上れないタイプだった。
島を一周するつもりだったのでひと気のない山道みたいなところを歩いていると突然うさぎがいて何度もわっと声が出た。
あと帰宅してからも道端に落ちているゴミなどを何度もうさぎかと思う症状が出た。
休暇村でお昼を食べることにして、うさちゃんカフェだと思っていた店名がよく見たら「USANCHUカフェ」だと分かった時にはちょっと嫌な気分になった。申し訳ないが嫌でしょこれは。
休暇村を出てまた歩きはじめると戦争の遺跡がちらほら見え出した。
毒ガス貯蔵庫、迫力がすごい。
このへんは砲台跡だったかな。
発電所跡。
不謹慎だけど絵にかいたような見事な廃墟だと思った。
というか、雨ざらしでよく何十年も残っているよなあ。
あと、いいカメラの人とか写真が上手な人が撮ったらだいぶ違うと思う。
海も見る場所によってさまざま。
どの場所もほぼ無人で、海を静のんびり眺めたい願望も十分叶えられた。
最初はエサを持っていないのでうさちゃんに近づくのも悪いな、みたいに思っていたんだけど、たまに人懐っこいうさぎもいて、申し訳ない気持ちになりながらも追いかけっこなどして遊んでもらった。
動画ばかり撮っていたので気づくと写真があまりない。
戦争の遺跡は怖い、うさちゃんはかわいい、海はきれい。大変な島だ。
徒歩でもわりと簡単に島を一周できてしまい、もったいない気持ちもあったけれど風が出てきてとても寒かったので島を出た。
つづく