髪型の話

たぶん一番言いたいことを言えてないからいつまでもだらだらと髪型のツイートしてしまうんだと思うのでこのへんで思いの丈をまとめて述べておく。

 

先週髪を切った。

美容院に行くのが苦手なあまり長らく髪は自分で切っていて、それがけっこうストレス発散にもなってたことからなかなか美容院に行くというのが習慣化しないんだけど、前回美容院に行った時にそこまで悪くもないなという感じがあって、これからはちゃんと美容院に行こうと思う。

そんなわけで今回も美容院に行くことにしたんだけど、前回行ったところは間隔が空きすぎたので行きづらく、別の美容院を探すことにした。

ところで私は2度同じ美容院に行ったことがない。だいたい間隔が空きすぎるというのもあるし、せっかく良い髪型にしてやったのにそんなダサい格好で過ごしていやがったのか…みたいなことを思われそうな気がするじゃん。しない? そうですか。

美容院探しは特にこだわりなく、数がありすぎるので行きたいタイミングで予約が取れそうなお店に適当に決めた。

普段美容師さんみたいなオシャレ界隈の人たちとは無縁なので恐怖に近い緊張感があり、今はお客だからいいけど、街で会ったら彼らには私がゴミのように見えるだろうなとか視界にすら入らないかもしれないなどと考えてしまい、これは逆に失礼だろ。オシャレ界隈の人たちをなんだと思っているのだ。

 

話が長くなるので本題に入る。とにかくカットの話。

昔は雑誌の写真など見せてこんな感じにしてくださいと言うこともあったけどそんな感じになったことは一度もないので最近はとにかく短くしてくださいみたいなことしか言わない。それであまり良い感じにならないとかは言う資格ないよな。

今回もとにかく伸び切った髪を少しでも短くしたいという願望しかなかったので美容師さんにもそんな感じで伝えた。顎下くらいのボブにすることは決まって、途中で色々会話しながら調整してくれていたけど、私はどうせいつものように今の長さがそのまま短くなったような無難なボブになるんだろ、と、メガネも外していることだし最後の最後まで期待も何もしていなかった。

ところが、である。

微調整が終わってメガネをかけて見ると、鏡の中には想像してなかった髪型をした自分がいた。

具体的には、重めの、毛先の揃ったボブ。

美容師さんが言うには普段アレンジやセットをしないズボラ人間には重さのある髪型の方がドライヤーだけでなんとかしやすいらしい。今まで何軒かの美容院でボブにしてきたけどそんなことは初めて聞いた。

しかもこちらからの要求もなく重めの髪型にされたのは初めてだった。

私は性格もさることながらおそらく滲み出る雰囲気も重苦しいので美容院ではいつも軽さを提案されてきたし、それが良いことだと思っていた。

前回も軽さを出したボブにされたし、コテでフワフワにすることを提案された。面倒だから一度もやらなかったけれど。

 

思い返すと、これは子供の頃から憧れていた髪型だったと思う。黒髪の重めのボブ。

ただ、私の幼少期の頃はそういった髪型もアリだったかもしれないけれど、その後髪は軽くしてナンボ、梳いてナンボみたいな時代に移ってしまい、私は全然そんなの好きじゃなかったけど、自分の好みを主張できるほどの意志もなかった。

ああ、今思えば私がちょうど良い年ごろだった時代、流行していたものがあまりにも自分の好みとかけ離れていたな。悲しいことだ。まあそれは良い。

流行が変わって、このところ街で重めの髪型の人を見ることはあっても、あれはオシャレな人がやることだから、とか、私には似合わないだろうから、みたいな感じがあったのかどうか、自覚することすらないままそういった髪型にしてみようかな、とちらっと思うことすらなかった。

それが、まったく思いがけず手に入ってしまったのです。

美容院で髪を切った後、うれしいという感情を持ったこと、今まであったかな?

この髪型になって鏡で揃った毛先を見る時、歩いたり風を受けて揺れる髪の重みを感じる時、たまらない心地よさを感じる。

誰からも似合うねとかかわいいねとか言われないところをみると良い髪型でもないし似合ってもいないのかもしれないけれど、これだけの満足感があればまあ些細なことだろう。

 

何が言いたかったかというと、憧れは忘れていてもずっと消えないこと。それと自分が好きなものを手に入れるとうれしい気持ちになるということ。

あとカットしてくれた美容師さんにも私のこんな胸の内は伝えられないけど、偶然にしても大変ありがたかったです。

 

そんな感じ。