奈良のこと 3
奈良の旅2日目の午後は、橿原から意外と近かった飛鳥へ行くことにした。
前回は奈良が初めてだったこともあり位置関係や距離感もよくわからなかったけど、今回は「あたかちゃん」という明日香村、高取町、橿原市の頭文字をとったゆるかわいいキャラのおかげでこれらの市町村が隣接していることも知ったし、そういえば旅の前に読んだ「鹿男あをによし」では主人公と藤原君が飛鳥をレンタサイクルで巡ったあと橿原神宮前駅に自転車を返していたっけ。
「鹿男あをによし」は基本的には奈良公園とかそちら方面が舞台だけど、私は物語中盤の主人公と藤原君の小旅行的な場面が一番印象に残ってしまった。飛鳥もそうだし、特に黒塚古墳の夕方の描写。
主人公は終始歴史に興味なさそうなんだけどね。
飛鳥駅。
鹿男の主人公は降り立つなり「何もないねえ」と言っていたけど、私は2回来て2回とも「古代の風〜」と思い切り息を吸い込んだ。
駅前の橋からすでにかっこいいのだ。
自転車をこぐ自信のない姉妹は徒歩を選び、前回ちょっと遠いなと思ってあきらめたキトラ古墳に行ってみることにした。
道中いちご狩りの案内がたくさん出ていたな。いちごが有名なのかな。
キトラ古墳はこんな感じ…
この後学んだのだけど前方後円墳みたいな大きい古墳の方が時代が古くて次第に小さくなったらしい。近くの高松塚古墳も似た形と規模だった。同時代なのかな。
キトラ古墳壁画保存管理施設の四神の館(名前がカッコイイ)に行ってみると何やら人が集まってザワザワしていて、よくわからないままそちらへ向かうと「申込はされてますか?」みたいなことを聞かれた。
何かと思えばこの日はちょうど期間限定の壁公開期間だったらしく、事前申込制だけど空きがあったのか当日でも申し込めるとのことだったので、せっかくだから見て行くことにした。
住所や氏名を記載する申し込み用紙に「壁画の公開を見に来たきっかけはなんですか」みたいな質問があって、悩んだ末に「偶然」と書いた。
今回公開されていたのが北壁「玄武」で、冬だからかな? 春は青龍なのかな? などとちょっと知ったようなことを妹と話した。
壁画のある部屋に数人入れられて10分間見放題というシステムなんだけど、それは貴重なものだけど、見応えという意味ではまあ、ね…という感じなので、初めは壁画に群がっていた人々もさっさと部屋を出て行く中、貧乏性の私は最後までキッチリ壁画を眺めましたよ。せっかくここまで来たので。
わー壁画の実物見られちゃったなと喜んでいたのだけどしかしよく考えたら数年前に東京に来たキトラ古墳展で3面分見ていたという事実。
なんか行ったな…という記憶はあったんだけど、壁画を見たことよりカッコイイ絵ハガキ買ってうれしかった記憶に塗り替えられていたようだ。
これがカッコイイ絵ハガキです。
壁を剥がして保管する技術も大変なものだけど、石室として全面見てみたいな。というか、石室を四神で囲むのはどういった意味なんだろう。死者を守っている?
実はキトラ古墳で猛烈に具合が悪くなって一度は妹に私を置いて楽しんで来てくれとまで言ったんだけどその後なんで回復したんだっけ? 忘れてしまったけど結局一日遊び回ったな。
つづく