奈良のこと 6
奈良旅最終日。
この日は山の辺の道を歩いた。
山の辺の道は三輪から奈良に通じる古道で、歴史上最古の古道と言われているらしい。
恩田陸の「まひるの月を追いかけて」で主人公たちが歩いていた描写が良かったし、前回ルートの一部を通った時とても良い道だったのでまた歩きたいと思っていた。
「まひるの月〜」では天理から桜井までを歩いていて「逆のルートの方が良かったわね」みたいなことを言っていたけど、私たちは橿原から向かったので桜井駅スタートだった。
バスロータリーに前方後円墳!
案内も多く山の辺の道のスタート地点としての気合を感じる駅で、冬だし天気も良くなくて人もまばらだったけど、気候の良い季節にはかなり人が訪れるのではないだろうか。
駅から少し歩いて、大和川沿いにあった、歌垣で有名な海柘榴市の解説。
きのう万葉文化館で勉強したところだ! というよろこび。
古代のにぎわいが信じられないくらい今はひっそりとしている。
仏教伝来の地碑。
歴史的に重要な地点にもほどがある。
このあたりの案内、情報過多になりがち。しかしそれも仕方のないこと。
なぜなら本当に情報が多いので。
三輪山に守られてるみたいな街、ずっと昔から人間の生活が続いているんだろうな。
神様の足元で生活してるみたいな感じかな。
平等寺。
このルートで少しだけ残念なことは、どの寺社にも横っちょから入ってしまうこと…
大神神社は前回も訪れたので今回写真はなし。
前回年末の早朝だったせいか人がとても少なかったけどこの日はたくさんの参拝客が訪れていた。
ここからはしばらく前回と同じルートになるけど、とても良いから何回でも飽きないと思う。毎週通いたいくらいだ。
久延彦神社から見た奈良盆地。
香具山がなかなか見ることができないんだけど、大和三山が見える光景が本当に好きだ。
古代の人が歌に詠んだもの、人も草木も、今も変わらずにあるようで、本当に同じものはどこにもない、でも、この山は彼らが見た山と本当に同じなんだよ…それってなんていうか…すごいよ…
道のあちこちに万葉歌碑が点在していて、すべて探して歩くのも楽しそう。
しかも書いているのが有名人ばかりで驚く。
私の写真では伝わらないと思うけど、道の途中本当に現代の気配のない場所もある。
すれ違う人も車や電車の音もなく、今私は古代にいるんだ…と思えばそんな気にもなれる。
檜原神社。
社殿のない神社を奈良で初めて見たのだけど、ないところに逆に凄みを感じる、みたいな感覚があった。
なぜかはよくわからない。直にそこにいる感じがするからだろうか。
この日は見えなかったけど、前回は神社から正面に二上山が見えていて美しかった。
先へ進むため三輪山から離れるのを寂しく感じ、歩きながら何度も振り返っていた。
このあたりであられが降ってきて、とても寒かったけど、草木にあられのあたるパラパラという音も美しく、感極まっていた。
「アー」としか言えないでいる私に妹が「歌が詠めたらいいのにね」と言ってきて、もっともだった。
景行天皇陵。
第12代天皇で日本武尊の父とされる人物らしい。日本武尊って父親と何か確執がなかったっけ? あとで調べよう。
崇神天皇陵。
力尽きて近くまで行くことができなかったけど、赤い傘の人がひとりお参りしていて絵になっていた。
なんだか遠くからでもやけに迫力を感じる陵だったな、周りが拓けているからだろうか。
「鹿男あをによし」で主人公たちも訪れていた黒塚古墳を最後に見て柳本駅から電車に乗ろうと考えていたんだけど、たどり着いた黒塚古墳の展示館はまさかの休館日…
三角縁神獣鏡が見たかったのに…
鏡はこんなふうに埋まっていたらしい。
柳本駅にたどり着いて旅は終了。
今思い出しても楽しい旅の終わりは寂しくなっちゃうな。
そうそう、2日目の記事で後回しにした話題だけど、3日目、2月11日に歩きながらふと、建国記念の日って何なんだっけ? と気になり調べてみたらなんと神武天皇が即位した日ということだったんですね。
前日何も知らずにぼやっと神武天皇が即位した橿原宮跡らしい橿原神宮と神武天皇陵を訪れてしまった…
この時3連休があって楽しい旅ができたのも神武天皇がこの日に即位してくれたおかげだったというわけ。
あと、なぜこんなに自分が奈良にはまったのかブログ書きながらだけじゃなく普段から考えていて、なんとなく思いついてツイートしたこれが今のところ一番あるんじゃないかな。
昔から古代史に興味あったけど、古代史の舞台が奈良っていう認識がなかったかも、奈良時代は奈良とわかるけど、土地勘ないし、それ以前は古代という世界のどこか、みたいなぼやっとしたイメージだったかも。奈良に行ったことで古代が現実とつながって、それが衝撃だったんじゃないかな、自己分析
— 綿 (@wata_n_n) 2019年2月17日
まだまだ見られていない場所もたくさんあって、もっと予習復習してまた奈良に行くぞ。