秋の奈良旅 5
あの旅ももう1ヶ月も前のことか。
3日目。
今日で奈良ともお別れだという寂しい気持ちが今でも思い出されるようですよ。
今年二度目の法隆寺。
前回も同じように思ったけど、法隆寺へ向かうバスの車窓は完全にどこにでもある地方都市の様相なのにその一帯に入った途端に世界が変わるところがいいなあ。
世界遺産の観光地でありながら賑やかさはなく、俗世と切り離された感じというか。
非日常感がある。
この地に流れる長い時間の重みを味わいながらしみじみ歩いていたけど、どうしてもギャグマンガ日和のことを思い出してしまうので罪深い漫画だ。
仏教文化の重み、飛鳥文化アタック…
法隆寺の周辺の古い町並みもステキだった。
いたるところで目にした斑鳩町のキャラ「パゴちゃん」がじわじわくる系で、現地でまったく写真を撮っていなかったことを帰宅後後悔した。グッズもほしかったな。
これは歩いていて見かけた町のマンホール。
ここからはまだ通ったことがないルートで、バスで王寺駅へ移動した。
立体と平面でわりと別人のようになってしまう雪丸。
近鉄生駒線に乗って、竜田川とか信貴山とか気になる場所も時間の関係で素通りしつつ、一般的な旅の目的地にはなりそうにないスポットへ。
駅舎の写真を撮り忘れてしまった平群駅。
こんな感じにキャラクター化されていた長屋王のお墓へ向かった。左近くんはちょっとわからない。
ところで平群って難読地名だと思うけど私はなぜすんなり読めるんだろう? 昔この辺で何かあったかな…
地図で見て町の中に古墳が存在している飛鳥のような雰囲気を想像していたけど、実際はなかなかの住宅密集地だった。
もしかすると大阪方面で働く人のベッドタウンだったりするんだろうか。
長屋王墓。
場所的にあまり上手く写真が撮れなかった。
長屋王は以前から気になる人物と言いつつまだあまり知識がないままだけど奈良市の方では屋敷跡も見たし、前回奈良を訪れた時「次回はお墓も訪れたい」と言っていて、意外とやりたいと言ったことはやる私。
続いて吉備内親王墓。
吉備のお墓はなかなかの高い場所にあった。
長屋王墓より立派な印象だったけどやはり天皇の孫と子の差だったりするのだろうか。
それと二人ともどうしてこの地に葬られているんだろう。
何かゆかりがあったのだろうか。
こういう住宅街の中に今もお墓が残されているのは逆に感慨深いかもしれない。
今回はちょっと長くなるけど区切らず一気に行こう。
この時点で残り時間が少なくなっており、妹が見たがっていた大仏も私の一日目の心残り平城宮跡も時間的厳しく、考えた末最後の場所は薬師寺になった。
薬師寺は天武・持統天皇関係の場所として気になりつつまだ訪れたことがなかったので今回行けてよかった。
観光地の写真ヘタクソコンテスト優勝か。
薬師寺は法隆寺などと比べるとなんというかエネルギッシュで強い感じがあった。生命力強めというか。
寺社仏閣を訪れるのが好きだけど、自分の好みとして枯れていてこそみたいなところがあって、でもこの薬師寺でちょっと覆ったかもしれない。
つい忘れがちな歴史ある寺社仏閣も昔から枯れていたわけではないことをここで思い出せた。
創建当時の、天平風の衣装をまとった人が裳をなびかせて回廊を歩いている姿が見えたような気がした。
この時片方の塔が工事中で一瞬残念だなと思ったんだけど、塔の工事は300年に一度とのことで貴重な姿だった。
300年後、私は明確にこの世に存在しないけど、この塔はきっとここにあってまたこうやって工事が行われるんだろう。
300年後の工事とはどういうものになっているんでしょうね。
最後駆け足になってしまったけどこういう時間の流れみたいなのが感じられるのも奈良ならでは(語感が妙)という感じでよい旅の締めくくりだった。
さすがにもうしばらくは奈良に行かないとは思うけど、まだまだ心残りが多いので少し経ったらまた訪れてしまうと思う。
それまでは旅の記録を見返して脳内で楽しむことにしよう。
おわり