伊豆の旅 1
土日で伊豆を旅してきたのでその話をします。
まず土曜は朝セットしたはずのアラームが鳴らなかったこと、そして激しめの二日酔いだったことが重なって想定よりだいぶ遅めの出発となってしまった。
いきなりどうでもいいけど出発のこと「旅立ち」って言いたいな。しかし1泊の旅ごときに使うのは違う気がする。そもそも1泊で「旅」とか言っていいのか。まあいいか。
準備もあまりできていなかったし何の計画も立てていなかったけど(何せ旅を決めてから出発まで10数時間とかしか経っていない)、とりあえず向こうに正午までには着きたいという気持ちでいろいろ忘れ物したり駅までダッシュしたりでなんとか出発した。
旅を決めるまでの葛藤も前の記事で書いたけど、決めてからも無理なくのんびりした時間を過ごしたいという気持ちと、せっかく出かけたからにはたくさんの場所でいろいろな景色を見たいという葛藤が旅の間ずっと心の中にあった。葛藤だらけの人生だ。
熱海はこれまで何度か通過しているけどそこから南下するのは初めてだった。今まで乗ったことがないような妙な車両の金目に歓迎されて、気分も高まるというものよ。
一旦伊東で下車。荷物をロッカーに預けて、伊豆急に乗る。
ここに来るまでにとりあえず最初の目的地は決めていた。
これは本当に偶然、この数日前まだ旅のたの字も頭にない時に、何かのはずみで「ぼくのなつやすみ2」のことを思い出した私は、あれ、あのおじちゃんの声ってもしかしてFF10のお父さんの声と一緒では? とかいうことが気になって、ウィキペディアを見ていたところあのゲームの舞台にモデルとなった場所があったことを知った。
ゲームのオープニングでボク君は船に乗ってあの町に来ていたから、私は離島が舞台だと思い込んでいたんだけど、実際は伊豆半島の富戸という港町がモデルとのこと。意外だなとは思ったけど、そんな情報は日常生活の中で脳の領域の優先順位的にすぐに消えていった。
出発前に荷物をリュックに詰めていた瞬間だったか、突然脳のどこかからぽろっと出てきて「伊豆…? 伊豆…!!」とつながり、とりあえずの行先は富戸に決まったのだった。
ゲームの舞台を訪ねるとはいってもゲーム中の風景をほとんど思い出せないので実際の場所を見つけ出そうなどという気概はなかった。
そもそも今回の旅は日常からの逃避が目的で、べつに絶対何かを見たいとかどこかへ行きたいっていうものじゃない。たまたまきっかけがあったからここを選んだだけであって、そういう意気込みはむしろ持ちたくないやつだ。
駅でもらった周辺のマップだけをたよりに、とりあえず港の方を目指すことにした。
坂の多い静かな町。
道の先が見えないほど急な坂、そしてその向こうに海。
三島神社。
後になって頼朝と八重姫の間の殺された子にまつわる神社ということを知って、以前の私ならこういう場所を素通りするようなことはなかっただろうに、嗅覚がおそろしく鈍っていることを実感した。
まだまだリハビリが必要だ。
マップには近くにも神社の案内があったので、軽くそこまで見に行ってみることに。
期待が高まる狭い道。
視界が開けた瞬間に違う、と思った。
今まで見たことがある海と違う。何かわからないけど絶対違う。何だこれは。
神社があると思ってやって来て、路地に吸い込まれてたどり着いた場所は伊豆半島ジオパークの宇根展望台というスポットだったようで、展望デッキや解説のパネルなどが設置されていた。
展望台から、北
何この色。何この透明感。何この岩。
東
遠くに島影。
南。
この後向こう側のあの辺を歩きながら今いるあたりを見ることになることはまだ知らない。
伊豆最初の海でこれはちょっとただごとじゃないぞ、って予感がしていたんだけど、これ以降もうずっと衝撃の連続であった。
それはまたおいおい。
こんな感じでだらだら続きます。